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2005年8月31日 (水)

手描き文字絵の「アハ!」体験

 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでは、Mahlerと書いてマーラーの似顔絵が、Chopinと書いてショパンの似顔絵が描けているんですよ、と説明すると多くの人が驚いた。これは、茂木健一郎先生の紹介されている「アハ!」体験の一種であると思う。単なる線画のイラストと見えていた顔が、実はその人物のつづり字から出来ているということは、ふつうはあり得ない。文字は本来、その文字線自体に意味をもたせて使うものではない。その常識がひっくり返されるから、「アハ!」と感じるのであろう。
 しかし、手描き文字絵に隠されたつづり字を理解することは単なる「アハ!」体験ではないとも思う。というのは、手描き文字絵は(上出来なものであれば)普通の線画のイラストと見えるからである。このレベルで、例えばこれはMahlerの絵だと表面上の理解だけで終わるならば、「アハ!」体験は生じようもない。
 茂木健一郎先生がテレビの「世界一受けたい授業」で出されていた例は、何が描かれているかわからない白黒の絵に実は犬が隠れていました、という類いのものであった。これは例えば、ある部分が犬の頭部だとひらめくことによって、全体の絵柄が一気に把握されるというものである。しかし、手描き文字絵のつづり字をたどるのは、そういう認知によるのではない。絵に「文字」を読むことになるのである。この際、脳にどのようなことが生じているのであろうか?  活性化するのはイメージを処理する領野か、それとも言語を司る領野か。これはたぶん最近の脳画像技術ならば明らかにできることであろう。
 いずれにせよ、手描き文字絵が「アハ!」体験とどういう関係にあるのかという問題を頭の片隅にとどめておき、折をみてまた考えてみたい。

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