« 今日はブルックナーの誕生日です | トップページ | パーツ復元クイズ : シューベルト編 »

2005年9月 5日 (月)

角回活性化ジャンケンとレトリックと文字絵

 きのうの「発掘! あるある大事典II」を興味深く見た。会話をしているときに活発に働く6つの部位(それぞれ、観察、理解、想像、記憶、選択、発声を司る)と、それらの部位を活性化させる第七の機能を司る角回の話であった。
 相手に理解してもらえているかどうかに気を配らないと、会話をしていても脳はほとんど働いていないということになる。例えば、夫婦間で、相手のようすを顧みずに独りよがりに話してしまうときは、脳はほとんど働いていない。このように頭を働かせない状況が続くと、あまり良い結果を招かないことは当然予想できる。
 うまい具合に、6つの部位を刺激して、脳を活性化させ、相手とのコミュニケーションをスムーズにさせようとする部位が、左脳の頭頂葉の角回であるそうだ。角回は自分の言いたいことを相手にうまく伝えるために比喩やたとえを使うときに盛んに働くという。うれしいことに、その際に他の6つの部位を刺激して、適切な表現を生み出せるように働きかける。
 これが事実ならば、角回はまさにレトリック(より正確には、それに含まれる「ことばのあや」という技術)を司る脳部位ということになる。レトリックとは、古代ギリシャの昔から二千数百年にもわたって西洋でえんえんと続いてきた技術体系で、こちらの意向をあの手この手を使って相手にいかにうまく伝えるかを研究する学問分野であった。それには、多面的に相手のことを分析しなければならない。
 きのうの「あるある」では、会社を思い切って辞めようかと思っているという相談に対して、「案ずるより産むが易し」ということわざを引用することによって、説得力を持たせようとした例があげられていた。このことわざは、諷喩である。諷諭は、代表的な「ことばのあや」の一種である。レトリックを研究している人がこの番組を見たら、角回の機能に関するこの話はけっこう刺激的だと思ったことであろう(それとも、そんな話はとっくにご存知だろうか)。
 ここからが本題であるが、その角回を活性化させるには、「角回活性化ジャンケン」という簡単な方法があると番組中で紹介されていた。要点だけを述べると、これは自分の左手と右手でジャンケンをするというものである。その際、必ず左手から先に出し、その後にそれに必ず勝つように右手を出す。このようなジャンケンをゆっくりでいいから、間違いなく右手が勝つように10回繰り返す。これで角回が活性化するという。
 「あるある」の「角回活性化ジャンケン」を見て思った。もしかしたら、手描き文字絵も「ジャンケン」と同様に、「角回活性化」にかなりの威力を発揮するのではないかと。う〜ん、しかし、これはかなり強引な議論のようだ。説得力を持たせるためには、さらに詳しくいろいろと説明する必要がある。
 一つだけ述べておきたいのは、私がずっと文字絵を「ことばのあや」の最たるものではないかと考えてきたということである。レトリックには、ユーモアにより相手をいい気持ちにさせて、こちらのペースに巻き込むという考え方がある。いわば、こちらの味方につけてしまうのである。それはまさしく角回が試みようとしていることではないか。
 (最後に一言。私がレトリックに興味をもったのは、佐藤信夫先生の本を読んでからである。いつかこの先生の著作について触れてみたい。)
 コメントをどうぞ

|

« 今日はブルックナーの誕生日です | トップページ | パーツ復元クイズ : シューベルト編 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/131182/5788417

この記事へのトラックバック一覧です: 角回活性化ジャンケンとレトリックと文字絵:

« 今日はブルックナーの誕生日です | トップページ | パーツ復元クイズ : シューベルト編 »